先日、IBM developerWorks ブロガーズ・ミーティングという会に参加させて頂いた。
IBM東京基礎研究所の所長の丸山宏さんのGlobal Trend Outlook 2009のお話を聞く機会に恵まれた。
私はこういった技術トレンドの大まかな流れの話を聞くのが大好きなので、非常に貴重な時間を過ごした。社外初公開の話だそうだ。
早足であったがメモをとれたことを書き記す。
考え方として、どの問題を解くテクノロジーが大事なのか、を考える。個別のテクノロジーそのものではない。以下の重点領域がある。
①デジタルエコノミー
・サブプライム問題
・アフリカのモバイルバンキング。決済
・カーボントレーディング
透明性のある証券化の為のテクノロジー
モバイル金融サービスの為のテクノロジー
信憑性のある排出権取引の為のテクノロジー
②データに基づくスマートな意思決定
・ITSと個々の意思決定の組み合わせ
・過去のデータ分析+予見的なデータ分析
・データ解析が専門家のものから、あらゆる人に使いやすくという流れ
③サービスの質
・SLAだけで決めない。サービス提供者側の指標とサービス消費者側の指標を刷り合わせる。
・フレーム・舞台としてのサービス。モノの側面(バックステージ)+サービスの側面(フロントステージ)
・バックステージ(インフラ技術)とフロントステージ(顧客サービス、ブランド)との間にソリューション設計がある。
④クラウド
・インフラ、プラットフォーム、アプリケーソン、ビジネスサービス、ピープル、の6つのレイヤで考える。ビジネスサービス、ピープルサービスが今後の伸びしろが大きい。
・インドのコールセンターの事例、クラウド管理サービス
⑤セキュリティ
・現在のように企業毎にプロテクションをかけるセキュリティモデルは破綻する方向。
・境界を細かくレイヤに区切りソリューションを作る。マルチティア、細粒度でレイヤを切り、プロテクションをかける。
・統合システムへ向かい、そこから分散システムとなっていく
⑥変革をもたらすハイブリッドシステム
・特定用途向けに個別のシステムの最適集合でシステムを作る。
・ネットワークスピードで処理するようなサブシステム作り、といった事例。
以上。
IBMは、目に見えない大きな問題を科学しコンセプトを打ち出すこと、定義つけることを継続している。そこに付加価値がある。ソフトからサービスへ、アウトソースへといった流れは、IBMが主導し業界・顧客を啓蒙し続けている。
そして今度は、上記のポイントを含め、コアテクノロジー・ベンダー・ユーザー間の境目のない世界へ、方向を示唆しているように感じた。
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