PEをやる上では必須のスキルではあるが、VCをやる上で持っていない人が多いと予想されるのが、M&Aのスキルである。
VCは殆どのエグジットケースIPOを想定しているので、M&Aによるエグジットをきちんと正面視しないことが多い。
それは、投資する際は成長期待もあり、プレミアムを乗せての投資になることが多いが、売却の際は成長期待はかなり薄れているし、多くのVCの投資対象となるIT企業はBS上の資産は小さいうえ、純資産以上の価値を正当に評価する買い手がぐっと少なくなるせいであろう。
又、多くの銀行系・証券系のVCの社員は、投資の組み入れを行う要員であって、投資先がIPOできそうになくなったと社内で判断されると、その企業は別の回収専門の部隊の管轄となってしまうこと(投資と回収の分業体制)も、VCの担当者がM&Aスキルを身につきにくくしている。
VCもPEやヘッジファンド同様、絶対リターンを狙う資産運用者であるのは変わりないので、IPOへの期待が薄れた企業をどのようにエグジットするか、はファンド運用者の腕の見せ所となるし、今後このスキルの重要性は増してくると考えられる。
コメント