やや前の話(2004年)になりますが、大手プライベート・エクイティファームである、ウォーバーグ・ピンカス(Warburg Pincus)のプレゼンが、<a href="http://blog.japan.cnet.com/umeda/archives/001127.html">CNETの梅田氏の記事</a>で紹介されていました。
その<a href="http://conferences.oreillynet.com/presentations/et2004/janeway_final.ppt">プレゼン</a>を読んでみましたが、各種面白いデータが載っています(それにしても、シリコンバレーのVentureSourceのデータはすごい有用だなあと思います。こういったデータがあることが、世界の金を集めることにつながっているんでしょうね)
特に
13ページの 年次毎のステージ別のValuationの違い
15ページの 年次毎のIPOまでの期間
16ページの 年次毎のM&Aの入り口と出口のValuationの比較
彼らの主張の一部は、プライベートエクイティが本質的に、Capital Market Riskに大きく左右されるので、
投資すべき会社は、"Nice" NOT "need" to have なもので、
IPOとは、When the capital market are "normal", IPOs are available to the business that <font size="3" color="black" style="line-height:160%;"><i>don't</i></font> need them のようなものだと
述べています。
梅田氏は、スタートアップとは、バイアウトのように予定調和ではない世界なので、
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ベンチャーキャピタルが「市場創造の難しさや試行錯誤の末の失敗」ばかりを見過ぎ、Private Equityファンドが「巨額のカネがあると物事がうまく回る」事例を見過ぎたゆえ、両者が違う世界観を持っているからなのだろうと思う
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(枠内引用)
と仰っています。
うちのファンドは6年を超え、かなり成功事例・失敗事例が積み上がってきていますが、
中途半端に投資したもの(売上が不十分、持ち株比率が不十分。一般的にミドルステージって言っている案件です)が一番失敗しています。
一方、
①きちんと成功軌道に乗っている企業に大きく資金投入する
②アーリーステージの企業の持ち株をきちんと確保し、育て上げる、
この2パターンが、うまくいっています。
全ファンドの資金を、どう相反する2つのパターンの案件に投資していくか、ここがファンドマネージャの力量ということになります。
いづれにしてもプライベートエクイティ的発想と従来のVC的な発想の2つの価値観をうまく処理できる人でないと、今後はうまくいかないような気がします。
データ的に見ても、13ページを見ると、①は市場環境の影響を受けやすいステージなので、年によってものすごいボラティリティがあります。逆に②は年によってあまり変動幅がないです。
このあたり、きっちり考えて投資すると本当に面白そうです。
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