ベンチャーキャピタルの仕事の中で難しいことの一つに、成長が鈍化したベンチャーの経営支援がある。
企業としては、通常投資を受けて5年程度経っているが、経営者も当初想定した事業をうまく進めているのではなく、その目算がはずれ、試行錯誤しながら新しい成長の芽を探しているケースが多い。
このような状況の場合、経営者はここで何とか事業をターンアラウンドさせ、成長軌道に持っていけるかを相当問われていると言える。彼を支えるベンチャーキャピタルも資金面・時間面で残されているオプションは少なくなってきている。両者、より失敗の許されないクリティカルの局面である。
この際、経営者もベンチャーキャピタルも、限られた時間内で、ボトムラインを確実に合わせながらも、前向きな事業を立ち上げる、ということを確実に遂行しなくてはならない。
経営者は、全てのステークホルダー(顧客、従業員、取引先、株主)に対しバランスをとる。バランスをとる、ということは全てが中途半端になる可能性も高い。
ベンチャーキャピタルは、そのバランスの取り方をうまくサポートし、ガイドしていくことが必要になる。
ここは利害も対立するし、お互いのエゴもぶつかる難しい場面も発生する。しかし、両者の利害をすり合わせていかなければ、共倒れになってしまう。
ベンチャーキャピタルが、高度なコミュニケーション力が求められるところである。
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