先日、シカゴ大のMBAの学生とランチをする機会があった。年齢も近いこともあり有意義な時間を過ごした。日米を股にかけたテクノロジービジネスのインキュベーション事業をやる、とのこと。楽しみである。
インキュベーション事業は、ITバブル期に流行ったビジネスモデルで、今も残っているところは少ないが、うまくやれば十分ポテンシャルのあると思っている。特に金余りの今、やるには面白い時期に入ってきているように感じる。
別の言い方をすれば、ベンチャーキャピタル(VC)ビジネスそのものが、インキュベーションビジネスと不可分になってきているとも言える。
金が余れば益々そのベンチャーキャピタリストの能力が問われる。
かつてのアイデアラボやCMGIがやっていたように、コンセプト、経営陣のチーミング等、立ち上げからきちんとリスクをとり、ハードワークを持って支援することが、今後は今まで以上必要になってきている、という流れは米国でも顕著である。今のご時世で言えば、Ycombinatorがそれにあたるのかもしれない。
ファーストラウンド・シードラウンドでの投資スタイル、コンセプトメイキング、リスクマネー、チーミング、そしてハードワークを提供できる投資家だけが、この金余り時代を生き残っていけるのではないか。
Me tooストラテジーは通用しない。面白い会社に投資させてくれ、というスタイルは過去のものになっていくと思われる。
その後、ブラックストーンのIPOについて、カジュアルなディスカッション。いまやバイアウトは買えないものがない程市場を席捲していると言える。個人的に非常に興味のあるテーマで、いろいろと質問してみた。
その学生曰く、米国のバイアウト市場は「終わりの始まり」を告げている、とのこと。彼はアメリカの監査法人にいてよくディールを見ている人だ。
日本市場はどう反応していくのか。非常に楽しみである。
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