2004年にマザーズ上場企業56社のうち、IT関連企業と分類されうる会社は22社。分類されない企業としては、不動産・金融、ヘルスケア・バイオ・福祉関連、店舗・フランチャイズビジネス、人材派遣、環境関連等。
IT関連企業の内訳は、
携帯コンテンツ・版権ビジネス 3社
ソフトウェアソリューション 9社
ネットメディア、EC 6社
ハードウェア 4社
IT関連企業の中で、公開までの期間、時価総額の平均を見ると、パフォーマンスで大きな違いがでる。
ハードウェアビジネスは、公開までの平均期間が14.5年と長くかかる為、5~7年を保有期間と考えると、ミドルーレートステージの投資を行わざるを得ず、投資倍率が低くなる。又、常に追加的に資金調達を行う傾向がある為、ダイリューションによるパフォーマンスの低下も想定される。
ソフトソリューションビジネスは、公開までの平均期間が9.7年と比較的長いにも関わらず、公開時の期待時価総額は、平均110億円程度となり、投資倍率は同様に期待できない。しかし、市場の大きさから、IT関連企業の公開の40%を占める。
携帯コンテンツ・版権ビジネス、ネットメディア・EC系のビジネスは、公開までの平均期間は、4~5年であり、公開時の時価総額も平均で280億~400億に達している。仮にアーリーステージで20%超保有できれば、それだけでファンドの多くのコストを回収できる可能性がある。
結論としては、IT関連企業の中では、資本集約的でない、主にコンシューマをターゲットとした、サービスビジネスが、高いパフォーマンスを出していた、と言える。
逆に、ハードウェア、素材、大手企業への受託開発、といったビジネスは、研究開発リスクや製造リスク、サプライチェーンが複雑、長いセールスサイクル、信用を得るまでの期間、コスト叩きの構造、ダイリューションによる減価といった点から、ベンチャーが育ちにくい傾向がある。
参考図
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