今やシリコンバレーを代表するベンチャーキャピタルファンドとなった、Andreessen Horowitz. ネットスケーブの創業者であり、ウェブブラウザの産みの親であるMark AndreessenがGeneral Partnerを勤めるファンドですが、そのパートナーのBen Horowitz氏がコロンビア大学の卒業式でスピーチをしています。これは故スティーブジョブズ氏がスタンフォード大学で行ったスピーチ(Follow your passion)のオマージュになっています。
内容が同意できる部分が多く、将来の起業家に役立つと思いましたので、久しぶりにブログを書いてみました。以下ビジネスインサイダー紙がまとめたポイントの抜粋です。
僕のところには、仕事柄多くの若手の起業家やその候補者が訪れます。時にはキャリア相談も含みます。
独立して起業となると、人生かけてやるべきかどうか、といった視点が入りやすく、やりたいこととやる必然性があること、を混同しやすい。
その際に、僕が感じているの好きかどうかというよりも、自分が勝てそうかどうか、勝てるイメージがわくかどうか、それについて考えてもらうようにしています。
Benもまさにその点に触れていて、大学の卒業生の将来の方向性やキャリアのアドバイスとして、以下の3点を挙げています。
1) Passions are hard to prioritize(情熱に順番をつけるのは難しい)
Are you more passionate about math, or engineering? History, or literature? “On the other hand, what are you good at? That’s a much easier thing to figure out,” he said.
あなたは数学が大好きですか、それともエンジニアリング?歴史?文学?
一方、(こう聞かれるとどうでしょう)あなたは何が得意ですか?
何が好きかよりも何が得意かの方が理解しやすい(答えが出やすい)、ですよね。
2) Passions change(情熱の対象は変わる)
“What you’re passionate about at 21 is not necessarily what you’re going to be passionate about at 40.”
あなたが21歳の時に好きだったことは、40歳になった時も好きでい続けるとは限らない。
3) You may not be good at it(あなたはそれが得意じゃないかもしれない)
“Has anybody ever watched American Idol?” he asked. “Just because you love singing doesn’t mean you should be a professional singer.”
アメリカンアイドル(という番組)をみると、歌がうたうのが好きなだからといって、プロの歌手になるべきではない、ことがわかる
僕は大学まで体育会で陸上をやっていました。スポーツ全般そうですが、陸上は体の身体能力で勝負の趨勢が決まるシビアな競技です。自分が勝てなければ誰もやりません。
大学まで続けられたのはラッキーでしたが、長距離の中でも1500M、5000Mと、より得意な分野に絞り込み、それでも勝てない、という経験から、自分自身のベンチャーキャピタルの仕事や新規事業の立ち上げに対しても、自分に勝ち筋があるのかどうか、ここを重要視しています。
丁度、陸上をやった人間からすると、神の領域である、為末大さんも著作の「諦める力」にて、似た内容のことをおっしゃっている(気がします)。
できるだけ巨大市場に対し、その中で成長が見込める領域を確保し、スタートアップはまず自分が勝てるという勝ち筋を作らないといけない。自分の得意なことで初めの勝ち筋を作り、それを拡大していく。なぜ自分(とその経営チーム)はそこで勝てると思えるのか。そこをひたすら自問し、他人に説明できることが必要だと思っています。
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