先日ラクスルの松本さんが、MonotaRoについてポストしていたので、振り返ってみました。
MonotaRO社は、独立する前のファンドで創業時から投資を行っていた企業で、僕の投資家としてのキャリアに大きな影響を与えた会社です。
B2Bということもあり、ネット界隈では知られていませんが、全国に何十万社とある工場向けの間接資材・副資材の通信販売を行っている、巨大なEコマース企業です。 サイトも全くスタイリッシュでなく、サンフランシスコのスタートアップどころか、超大阪風です。しかしながら業績は堅実に、創業時より売上・利益は連続して右肩あがり、コマース事業だけで直近売上287億円、経常利益29億円、時価総額1500億円の水準に至っています。
MonotaRO社との関わりで、私が学んで大きかったことは、二つあります。 一つ目は、”事業家として何の問題を解くか”、ということの重要性です。 MonotaRO社は、何層にもわたる非効率な工場向けの流通を効率化する、という課題を創業時に設定し、その問題を今も解き続けています。
創業して13年経った今も、設立時に考えた事業モデルが一度も変更されていません。 事業が取り組む課題がそれ程大きく、多くの顧客が求めているソリューションだからこそ、今でも会社が右肩上がりに成長できるのだと思っています。
もう一つは、”優秀なビジネスマンが起業すると大きなことが出来る”、ということです。 ”何を見て投資しますかと聞かれ、人を見て投資します” とは、良く言う話ではありますが、MonotaRO社の創業者の瀬戸さんは、僕が今まで直接投資先として関わった社長の中で、最もスーパーな人の1人です。
事業家としての、事業構想の大きさ、集めた資金調達額、その資金を適切に使う能力、そして遊びの部分。住友商事の鉄鋼のエースだった人でMBA取得後40歳の時に独立と、肩書き的にも優秀な人ではありますが、どちらかというと人間的な魅力に溢れる印象が強い。日本人ビジネスマンとして思いつく限り、最強に近いスキルセットと能力を持っていると思います。
こういった人は、起業家に限定せず広くビジネスの世界を見渡すと、少数でしょうが、どの年代にも存在すると思います。 瀬戸さんに出会えたことが、自分の投資家としての経験値となっており、今の投資哲学のコアとして非常に活きているし、優秀なビジネスマンが起業にチャレンジできる環境をもっと整えられば素晴らしいだろう、と思います。
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