本日、ポケラボ社がグリー社と戦略的資本提携を発表致しました。
今回の資本提携は日本のベンチャー業界にとっても、我々ベンチャーキャピタル業界にとっても、非常にいいロールモデルなるのではないか、と期待しております。
ポケラボ社は、私個人のキャリアにとっても非常に思い入れのある企業で、2007年秋にファンド主導で会社を設立し、初めの半年間は、ポケラボ社の初代代表取締役を、同じインキュベイトファンドのKeisuke Wadaと共同で勤めました。
その後、後藤さんを同じく投資先であるフォリフ社のYuji Kumagai さんに紹介頂き、前職のオフィスで毎日CTO探しを行いました。そこで後藤さんがmixiで探して連れてきたのが、佐々木さん。後藤さんと佐々木さんの共同代表取締役体制に移行しました。初めの両代表が住居兼オフィスとして働いていた水天宮のマンションは、後藤さんが保証がなく借りることができず、私が保証人となって賃貸契約をしました。まさに地べたからの出発でした。
当初は、『モバイルのはてな』のような会社を作りたい、とブックマークサービス及び写真共有サービスをリリースしました。当時私と和田に、はてなブックマークとフォトライフに憧れがあったような気がします(笑)。しかし全て泣かず飛ばず。
キャッシュも尽きかけ、最後に何の事業をやろうかと迷ったのが、モバイSEO事業とゲーム事業でした。最終的には、後藤さんと佐々木さんが、自分達はゲームをやりたい、とのことで、勝手サイトにおけるモバイルゲーム事業がスタート。ここからが、後藤さんと佐々木さんの真骨頂のゲーム制作事業であり、ポケラボの快進撃の始まりでした。
その後、北米の投資家であるDCMのGen Isayamaさんにご紹介したところ、即答で面白いとのことで、外人パートナーばかりのDCMの投資委員会でプレゼンすることが決まりました。英語が話せるのが私だけという理由で、私がプレゼン資料を作り代打でピッチ。私も、全米ベンチャーキャピタル協会の会長である、Dixon Doll氏の前でプレゼンする、ということで、非常に緊張しましたが、伊佐山さんのサポートのもと、無事通過。そこから、インキュベイトファンドの出資も合わせて10億円、という、当時としては破格の資金額を調達しました。その後資本提携させて頂く、セガ社との初めての出会いも、DCMのシリコンバレーオフィスで、出会ったことがきっかけとなっています。
その頃からソーシャルゲーム業界がパワーゲームになるということで、多いに業界が動きました。我々も必死でCFOをリクルーティング。現社長で、私の前職のジャフコの後輩でもある、Yuta Maedaさんを口説いてCFOとして入社してもらいました。前田さんは彼がジャフコ1年目の時に、別のディールで一緒になったことがあり、1年目なのに、驚く程しっかりしていて、優秀だったことを思い出します。入ってもらった時は本当に嬉しかったです。そして彼はその通りに、非常に大きな活躍をポケラボ社にもたらしてくれました。
そして、今回グリ–社と大きな資本提携を行いました。今回の資本提携は提携内容自体かなりユニークなものであり、我々ベンチャーキャピタルがバックした会社のバリューとしては、過去最大級のものであることは間違いないと思います。
創業者であり、優秀なゲームプロデューサーである後藤さん、佐々木さん、そして経営者として目下伸び盛りの前田さん、そしてそれを支える幹部、クリエイターの皆さん、こういったチームが一丸となって、日本発世界に通用するベンチャー作りを目指して、更なる勝負を行います。
私としては、一定の役割を終えて、これからポケラボ社の活躍を少し遠くから見守る感じでになりますが、自分も創業者として関与した思い入れのある会社でありますし、世界をみればソーシャルゲーム業界はまだまだ、これからが本番だと思っておりますので、多いに期待しております。
頑張れ、ポケラボ!
http://pokelabo.co.jp/news/press/2012/1024.html
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