先月7日、NICTさん主催で、日経ホールにて、情報通信ベンチャービジネスプラン発表会が行われた。
その中で、『どうしたらメガベンチャーはできるのか』についてRyuichi Nishidaさんのモデレータで、GREEのKotaro Yamagishiさん、グロービスのMinoru Imanoさんと一緒にセッションを行った。
メガベンチャーといっても、どのくらいの規模のベンチャー企業がメガベンチャーなのか、定義も定かではないが、シリコンバレーの投資家の間では、ビリオンダラーカンパニーという言葉もあり、そのような会社を作ろうよ、という話が良くでる。
日本においては、あまりそのような数値や定義は聞かないが、個人的には、設立数年間で企業の時価総額が100億円を超えるような企業や、株式公開後も売上・利益をどんどん伸ばし続けていけるような会社を作っていきたいと考えている。
セッション中、山岸さんの話を聞いて、 私が参考になったポイントは以下の通り。
・GREEは創業からずっとGREEという同じサービスをやっているので事業数値をシミュレーションしやすかった。なぜPCからモバイルに移行できたかというと、PCの事業の伸びをシミュレーションすると成長の限界が予測できた。No.1になるにはどうしたらいいか、PCでこのままやっていてもダメだ、ということを議論できる状況だった。
・経営の意思決定は、ボードメンバーでしっかりと議論を尽くしてCEOが決める、という感じだった。最後決めるのはCEOだったが、結構皆で議論して決める風土だったように思う。
・メガベンチャーになるとか、初めからデカイ絵を必ずしも描いていた訳ではなく、身近なM&Aの実例があり、それくらいは自分達でも出来るだろう、という感じからのスタートだった。しかし、その後サービスが拡大するには資金も人材も必要だよね、という感じで形を整えて成長していった。
・グローバルで勝っていく為にはにはアドバンテージがいるのではないかと思う。10倍資金を持っているとか、個人として3倍も4倍も優れているとかが必要なんじゃないか。
その他、メンターの方の話で気になったポイントとしては、日本ユニシスのCTOであるTsuyoshi Hoshinaさんの、ベンチャー企業を見る時の視点について。
『いつも自分の顧客や人脈につなげられるかを考えている。見ているポイントは人。この起業家を自分のネットワークに紹介できると思えるかが判断の鍵』
これは彼のような大手クライアントを多数持つエグゼクティブの視点として重みを感じる。
また、NTTインベストメントのShinji Morishitaさんの大企業とベンチャーのアライアンスについて。
『既存の事業体を持つ大企業の現場の人から見えると、どんなベンチャーのビジネス小さく見える当たり前の話。大企業では短期のROIと中長期のROIが混ざりがち。これはどのベンチャー企業でも組織が大きくなってくると必ず起きることである。そこをすり合わせることに意味があるし、それが自分の仕事である』
これも、大企業とのアライアンスを成功させる為に、双方が知るべき視点であるだろう。
近頃スタートアップの周辺で本当に経験のある人たちが、スタートアップや経営について語ったり、アドバイスをしてくれる環境が整ってきていると感じる。素晴らしいことである。もっと社会としてのスタートアップ周辺の層を厚くしていきたい。
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