ネット系の上場企業社長や投資先の社長等と、北京、上海のソーシャルゲーム、モバイルサービスの企業へ怒涛の訪問出張を行った。
私としては投資先にMixiアプリやモバイル・ソーシャルゲームをリリースした、予定している企業が複数あるので、これらの企業の戦略を考える上でも、良い機会となった。
北京ではソーシャルゲームを中心に10社程度ミーティングを行った。
中国のSNS大手の一つのXiaoneiやFacebookでヒットしている牧場ゲームを運営するFIVE minutes社、もう一つのSNS大手である51.com上でNo.1のアプリケーションベンダーのRekoo社といったところが、ソーシャルゲームで勢いのある会社である。
その他中小のベンチャー企業もソーシャルアプリゲームを開発するところが多数ある。iphoneアプリやFacebookアプリで成功している英国のPlayfish社も中国市場でソーシャルゲームの本格投入を行うようだ。
これらのゲームは課金率がそれ程高くないものの、ユーザ母数が大きい故に、クリティカルマスに達するスピードが早い。トップアプリになると、日本とユーザの獲得スピードが50~100倍くらい違う感じである。
ソーシャルゲームのテーマとしては、牧場、レストラン、魚をモチーフとしたものが流行っており、多くの企業がこのテーマを選択している。
中国市場は成長市場ゆえに勢いがあるのはその通りだが、一つ感じたのは、中国のソーシャルゲームベンダーは、世界を見ているということである。
彼らはXiaonei、51.com、QQといった中国国内のSNSプラットフォーム上でゲームをリリースするのみならず、Facebookを世界一位のゲームプラットフォームと考えており、そこでの成功も目指している。世界で一番伸びているプラットフォームだからゲームをリリースするのは当然、といった感じである。
また結構気軽に?他国に進出するベンダーも多く、あるソーシャルゲームのベンダーは、ロシアのSNSにゲームを提供して月商数千万円の単位で儲けているところもあった。今秋オープン化するMixiのことも、多くのベンダーが知っており、日本市場への参入への質問を多く受けた。
その他は、モバイルポータル、モバイルアプリの会社を複数訪問。彼らも非常に面白い。中国のキャリアは、日本のドコモやAuに比べて、公式のコンテンツやポータル周りの市場をうまく支配できていないようで、その間隙をついたポータルやモバイルアプリが成長しているようだ。
中国は未だ多くが2Gユーザであるが、既に月間数十億から数百億のPVを持っており、優れたアイデアのウェブゲームやアバターゲームも存在する。自分の投資先でもやってみたいアイデアもあった。FLASHの活用は未だなので、3Gインフラが整えば、ゲームユーザが増えて、イノベーションが起きることが期待できそうである。本格的な普及は来年以降と答える経営者が多かった。
総括としては、中国のソーシャルゲーム、モバイル周りのプレイヤは元気がある。ゲーム市場が変化している、世界へアクセスできる、事業を拡大するチャンス、と息巻く経営者やベンチャーが多かった。
中国市場への進出や投資となると、投資スキーム面、ビジネス制度面、競合環境、ユーザ気質等、種々のリスク要因があるが、それを鑑みても魅力にあふれるプレイヤのいる市場であることを今回感じた。
又、ソーシャルゲームに関しては、日本も中国も経営者同士、同事業に対するエキサイトメント、課題、悩みといったことは全くシェアできた感じで、非常に親交を深められた点が収穫であった。こういったことはすごく楽しい。
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