前回の続き。
⑦Pick a few battles.
自社がやるべきことを選択せよ!
経営者はどこで戦うべきかを決めなくてはならない。全ての局面で戦うことはできない。
If youre creating a content Web site based on the advertising model, do you have to write your own customer ad-serving software? I don’t think so.
もし広告モデルをベースにウェブコンテンツサービスを作るなら、専用の広告サーバーソフトを自社で内製化する必要があるだろか?私はそうは思わない。
⑨Go direct.
顧客の要求をつかむことに注力せよ!.
The optimal number of mouths (or hands) between a bootstrapper and her customer is zero.Sure, stores provide great customer reach, and wholesalers provide distribution.But God invented e-commerce so that you could sell direct and reap greater margins.And God was doubly smart because She knew that by going direct, you’d also learn more about your customer’s needs. Stores and wholesalers fill demand, they don’t create it.
If you create enough demand, you can always get other organizations to fill it later. If you don’t create demand, all the distribution in the world will get you nothing.
企業と顧客間をつなぐ口・手の数はゼロである方がよい。(中略)ダイレクトになることで、あなたは顧客のニーズをよりつかむことができる。(間に入る)小売店や流通が需要を満たしてしまえば、あなたはそれを作り出すことができない。
もし十分な需要を作り出せるなら、あなたはいつも、後から他の組織に満たさせることができる。もし需要が作り出せないなら、世の中の全ての流通はあなたに何も与えてくれない。
⑩Position against the leader.
トップ製品と比較できる軸を持て!
Toyota introduced the Lexus lines of cars by positioning them as being as good as a Mercedes but half the price. Toyota didn’t have to explain what as good as a Mercedes meant. How much do you think that saved it?
トヨタは、レクサスのサービスラインを、メルセデスと同じくらい良いが価格は半分である、と位置づけて、その紹介を行った。トヨタは、メルセデスと同じくらい良い、が意味することを説明する必要はなかった。これがどのくらいコストをセーブしていると思う?
上記⑦、⑨、⑩は全て企業のポジショニングについて述べている。この企業、製品・サービスのポジショニングの明快さこそが、私が日本の企業で相対的に得意でないと感じている部分である。
前回述べたように、受託、コンサルティングサービスとして、特定のクライアント向けにサービスを行えば、自然とワンストップ型のサービスを提供することになる。そうなると、どこまで自社製品でやり、どこから他社製品を使うか、という選択が厳密になされずに、全て自社でやる、という方向になりがちである。その結果、その成果物をスケールさせていく、という方向に事業を持って行きにくい。
しかし、本格的に事業展開するのでれば、製品・サービスから顧客に提供するバリューチェーンの中で、どの部分を自社でやり、それを深堀していくか、という選択が必要で、これがPick a few battles、ということになるのである。
もしワンストップのどの局面でも勝てる、と思っている経営者がいれば、その事業は十分にスケールしない市場(ニッチ)にある可能性が高い。
次に需要を作り出すことの重要性である。ダイレクトにして流通を中抜きすることは、コストを削減する価値だけではなく、顧客のニーズをつかみ、需要を作り出すことができることに大きな価値がある。
特に不況の時代には、Guy kawasaki氏がいうように需要の創造者が支配権を握る、という考え方は心に留めるべきだと思う。
最後にポジショニングの話。ここはベンチャー企業が生きていく中で大変重要である。
シリコンバレーには、XXX版Cisco、、XXX版Amaon、といった企業で溢れている。彼らは、何か成功した企業や製品との比較軸を持って、自社の製品やサービスを説明する。
なぜそうしているかというと、初めての人に新しいアイデアを伝える際、くどくど細かい話をしても、興味を持ってもらえないし、何を話しているか相手が理解できないからである。
自身のポジショニングを明確にできないと悩むベンチャー経営者や、現在起業のアイデアを練っているエンジニアは、一度自社のフィールドと成功している企業のビジネスモデルを掛け合わせて、自分の事業を説明してみてはどうだろうか?そうすれば、より方向性が見えやすくなるはずである。
比較軸を持って、自社を説明することにより、、相手に興味を持ってもらうのに早いだけでなく、相手がより理解してもらうのに役立つ。これは、経営者が、顧客、従業員、そして投資家を呼び込む為に必要な作業だと思う。
以上、パートⅡ終わり。
2009年は、不況の時代かもしれないが、経営者が、自分のポジショニングをきちんと定め、顧客のニーズを探し当て続ける作業が益々重要になる時代である。
キャッシュフローをより意識しないといけないが、足元だけにとらわれず、狙うべき領域への階段は一歩一歩登ることは止めてはいけない。
HP(ヒューレッドパッカード)の企業文化は、1930年代の不況時に培われたものだそうだ。苦しい時に企業の基礎を作れれば、それがその後、偉大な会社を形づくるのかもしれない。
こんにちは。古賀と申します。人違いだったら申し訳ないのですが、本間さんはひょっとして、アクセンチュア・テクノロジー・ベンチャーズで、坂本さんとご一緒でお仕事されていませんでしたか?僕は2001年にアクセンチュアに入り、一発目の仕事が坂本さんの下で「本間さん」とアジアVC市場の現状報告のプレゼンを作る、というものだったのですが、もしかして一緒にイシューツリーなどを書いた本間さんだろうか・・・と思い、ご連絡差し上げました。(もしご本人でも覚えてらっしゃらないかもしれませんが)
僕のほうは今、シリコンバレーでモバイルベンチャーにいます。
投稿情報: Koga | 2009年1 月19日 (月) 17:50
古賀さん
ご無沙汰しております。その「本間」です。懐かしいですね。今は東京でVCファンドの運用を行っております。
シリコンバレーでご活躍の様子、ぜひ東京に戻られる際はご連絡下さい。
本間
投稿情報: 本間 | 2009年1 月26日 (月) 16:59
本間、頑張ってるね。時間あるときにでも飲みにでも行こう。
投稿情報: 能村 | 2010年3 月23日 (火) 12:32
コメントありがとう!留学から帰ってきたのか?連絡します。本間
投稿情報: 本間 | 2010年4 月19日 (月) 20:07