先日、ある知り合いの会社で、社長と他の創業者が仲違いし離反する、という問題が起きた。
社長と他の創業者は、学生時代からの仲間で、私から見れば、ベンチャーで苦しいことも多いが、お互いがお互いをわかってくれている、という信頼関係でうまくやっているように見えただけに、ショックだった。
話を聞いてみると、社長も一緒にやってきた創業者も、双方に正しい言い分があり、双方に問題がある。
社長は、能力も高く経営に対する責任感があり、何でも切り開いていくタイプである。自分で何でも解決しようとして、全ての問題を背負い込んでしまい、他のメンバーに、自分が抱える問題や悩みを打ち明けることができない。自分で何とかしようとする余り、余裕がなくなってしまう。他の役員や社員がうまく動かないことに腹が立つ。
一方、他の創業者の方は、積極的な社長と一緒にやってきており、非常に実務能力が高い。どんなことも淡々とこなす能力があった。彼らは創業者ではあるが、社長だけが感じる悩みや外部からのプレッシャーは、心の底からは実感することができない。社長は、自分一人で何でも決めているくせに、自分一人で焦ったり、余裕がなくなったりして、何をやっているんだ、という話になってしまう。
外からみれば、コミュニケーションをもう少し多くとって、お互いの気持ち・我慢が弾ける前に、議論する関係を構築できていれば、何とかなったのではないか、と思える。
お互いの付き合いも長く、コミュニケーションできているよ、と考える経営者が多いとは思うが、大事なのは、コミュニケーションをする際のお互いの関係である。単に話をするだけではない。相手の立場を考えて議論できているか、議論できる関係を構築できているか、ということである。
ベンチャーを立ち上げるにあたって、皆信頼おける仲間と始めているハズであり、お互いが離反するなんて考えもしない。
あらゆるベンチャー創業者、経営者が心がけなくてはいけない点として、どんなによく知っている、気の置けない仲間でやっても、今回のような話になる危険性はいつもある。
ベンチャーの経営はすごく楽しい反面、通常ではないストレスの連続でもある。コイツは昔からの仲間だから大丈夫なんだ、なんでもわかってくれる、と思っている創業者同士も、経営という立場では、定期的に、きちんとコミュニケーションできる関係を築けているか、チェックする必要はあるだろう。
I apologise, but, in my opinion, you commit an error. Write to me in PM.
投稿情報: Metro icons creator for developers | 2012年9 月25日 (火) 05:01