表題の本を読みました。「キャズム」で有名な、ジェフリームーア氏の著作です。
イノベーションは、概念としてあいまいなものであり、なかなか体系化するのが難しいものですが、それを分類し、体系化しようと試みています。
特に、ビジネスは、コンプレックス・システムとボリューム・オペレーション、という2つのビジネスアーキテクチャがあり、イノベーションを追求する際に、どちらのアーキテクチャの企業なのかを認識する必要がある、との主張には、なるほどと思う部分も多いです。
ベンチャー企業の場合に照らして考えてみると、コンプレックス・システム型は、なかなか生まれにくいですが、専門性の高い成長市場におけるコンサルティングビジネス等は、この分野になりそうです。これらの企業は売上高成長性はあまり高くないですが、高い利益率で魅力あるベンチャーを作れそうです。
又、ボリューム・オペレーション型は、本書ではコンシューマビジネスということで語られていますが、ベンチャー企業においては、中小企業向けにサービスや製品のアクセスを効率的に提供できた企業、が成功しているケースが多い気がします。
弊社ファンドのエース案件もこのパターンにあたります。
実際このアーキテクチャのビジネスは、マーケットを面で押さえる必要がある為、コンシューマ市場を押さえるには、お金が掛かり過ぎる割りに投資効果(ROI)が見えにくい、ということなのだと思います。ですから、ベンチャー企業が考える現実解としては、ROIの見えやすい企業向けサービスをターゲットにしながらも、ある程度大きな資金を投入し、ボリューム・オペレーションを追及する、ということなのかもしれません。
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