①、②までの定義を見ると、そんなの当たり前ではないか、ということばかりです。しかし、③の定義を考えてみると、①、②の条件とのバランスが出てきます。
では、それはどんなことかというと、
『成功する為の時間、資金が少なくてすむ』、ということです。(⇒ここはかなり厳密に議論すべきところです。人によって感覚も違います)
ベンチャー企業は、1)サービス・製品開発のリスクと、2)顧客・市場開拓のリスク、と2つのリスクを背負っています。
ビジネスの構造的に、①と②が非常に魅力的であっても、③の観点からリスクの大きいものは、投資案件としての魅力に欠ける、ということになります。
例えば、非常に精緻な製造業の場合、1)の製品開発に関するリスクは、構造的に、ネット関連企業やサービス業と比べて非常に高い、と言えます。
顧客・市場開拓のリスクという点からも、代理店の存在や大口顧客の存在が、それを容易なものと考えてしまいがちですが、顧客が固定的である場合(大手家電メーカしか買わないもの、通信キャリア向け等)だと、買い手の政治的な都合で、売上計画が決まってしまうこともあります。
従って、②の点で、製造業は成功すると大きな営業利益を上げることが可能になるので、魅力的だと議論されますが、③の定義を加味すると、なかなか難しい投資になるケースが多いです。
個人的に知る例では、成功する為の時間、資金が少なくてもすむのは、圧倒的にサービス業、特にネット関連企業です。
例えば、資金が少なくてすむ例としては、ネット・メディア、会員制サービス等があり、時間が少なくてすむ例としては、ライセンスビジネス、フランチャイズが挙げられます。
これらのサービス業は参入障壁が低いことも多く、過度な競争にさらされますので、一般的に②の要件である、営業利益率が低くなる傾向があります。
そこで、高い営業利益率を持てるようなビジネス構造、オペレーション構造、チームを持っている投資案件を見つけ出す、ということが、今後の投資に必要になってくると思います。
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