先日、内閣府より以下の公表がありました。私もベンチャーキャピタル運営者として、以下のパブリックコメントを提出しています。現場の意見がきちんと吸い上がり、建設的な方向へ進むことを期待します。
”適格機関投資家等特例業務の見直しに係る政令・内閣府令案等の公表について”へのパブリックコメント
http://www.fsa.go.jp/news/25/syouken/20140514-1.html
『私は、証券会社や銀行、或いは特定の事業会社に属さない、独立系のベンチャーキャピタルファンドを運用しております。
ここで使われる意味の独立系のベンチャーキャピタルファンドとは、会社法人がファンド運用の主体・責任者となるのではなく、個人のパートナーシップが運用の主体・責任者となる形式のファンドです。シリコンバレーでは、殆どのファンドがこのような形式をとっております。
現在、主にインターネット関連の業界において、これらの独立系のベンチャーキャピタルが、ベンチャーの創業期・シードステージの投資の資金供給源となっております。
理由としては、個人のパートナーシップで営まれる独立系のファンドは、ファンドの運用者自身も特定の企業に属することのなく、自らリスクをとって投資業を営んでおりますので、シード期のベンチャー企業と二人三脚で事業を作っていくのに適している、投資への意思決定が早くやコミットメントも高くなる、といったことが挙げられます。会社型のファンドは、投資担当者の組織移動、部署移動もあり、シード期のベンチャーファイナンスの担い手としては、適さない部分があります。
今後、日本におけるベンチャー企業の育成・促進を行うという観点において、インターネット業界だけでなく、モノ作り、バイオ、ヘルスケア、環境、あらゆる業界で、シードステージの投資を担える、独立系のベンチャーキャピタルファンド、ベンチャーキャピタリストの絶対数が不足しており、彼らが育ちやすい環境を作っていくことが非常に大切である、と実務上の見地から、感じております。
今回の適格機関投資家等特例業務の見直しに係る政令・内閣府令案等の公表に関して、ファンドの運用者、ファンドの運用者の役員・使用人、投資性金融資産を1億円以上保有かつ証券口座開設後1年経過した個人、と条件を設定することで、あらゆる産業において必要とされるであろう、独立系の投資ファンドが今後、より設立し難くなる、ということが懸念されます。
ベンチャーキャピタルファンドの組成に限っては、ファンドへの投資家の要件として、当該ファンドの投資対象である業界の見識者(上場企業の役員、起業経験者、弁護士・会計士等)であれば、資産要件を問わない等、なんらかの例外措置を設けて頂けて頂ければ、本政令・内閣府令案等の公表の趣旨を遵守したまま、日本のベンチャー育成や発展を加速することが出来るとの考えに至り、本意見を提出させて頂きます』
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