先日11月25日に、IncubatCampのプレキャンプナイトを行った。
Zyngaのジェネラルマネジャー、元ウノウCEOの山田さん、Doll Capital Management(DCM)のパートナーの伊佐山さん、クロノスファンドの松山さんを招き、優れた起業家・経営者の在り方、事業アイデアに対する考え方、創業チームの作り方、投資家との関わり方、といったことを2時間以上、忌憚なく話をしてもらった。
普段から私自身も3人とは、一緒に投資をしたり、海外に一緒に視察に行ったりと、ベンチャー仲間として良い付き合いをさせてもらっているが、改めて話を聞くと、非常に勉強になることが多かった。
今回クローズドな場で、経験あるスピーカーと意識の高い参加者24名、という立てつけでセッションを組んだが、これは密度の濃い、建設的な学びの場を提供できるのではないか、という感覚を受けた。
オープン参加で数十名、数百名を呼び、内容も公表されるような大きな場であれば、スピーカーも話す内容を限定しなくてはならないし、また参加者も意識や興味の範囲にバラツキが出過ぎる。一方、10名・20名の飲みの場では、熱いトークになる一方で、参加者もスピーカーも緊張感がなくなる。そういった意味で、今回のような規模と密度のクローズドセッションは非常に生産性が高いと感じられた。
米国の起業家キャンプのモデルである、Ycombinatorでも、3カ月の支援期間中、毎週『dinner』という起業家を集めた夕食会が行われ、そこで既に成功した起業家・経営者が招かれ、いろんなノウハウやtipsを、若手起業家と共有する、という会が行われている。それが若手起業家にとって価値のある機会となっているようだ。
参加者の感想を引用すると、
Most of the practical advice is redundant, but there's value in it even as such—if you hear the same things over and over again from different angles, especially from prominent people, it tends to sink in more. The stories tend to be galvanizing though, especially hearing about the screw ups. That's the actual beauty in the off-the-record-ness: you hear just how screwed up most of these successfulstartups were on the way up.
『多くの実質的なアドバイスは冗長であるが、それでもそこには価値がある。いろいろなエンジェル投資家や成功者から何度も何度も同じことを聞いたら、そのアドバイスは身に染み込みやすいからだ。
彼らの話を聞くと刺激を受ける。失敗事例からは特に。これが『オフレコ』の良さであるだろう。多くの成功したベンチャー企業でも、その過程でどのくらい失敗をしてきたのか、を聞くことができる』
まさに、その通りであると思う。
今成功している起業家・経営者も多くの失敗をしているし、今思えば小さい考えや間違った考えに固執していたこともあるだろう。しかし、それを知る機会は少ない。成功している経営者で、公の場それを話す人も少ないし、彼らが話す機会もない。また、経営者の本にもそういったことはあまり書かれない。
しかし、今成功している人が、悩んだこと、過去の失敗、何を考えどう行動したか。こういった情報やノウハウが、これから起業する起業家・経営者には最も必要なものであると思う。
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