先週、シリコンバレー出張中に、一部上場ゲーム会社の社長とミーティングする機会に恵まれた。普段東京では滅多に会うことが出来ない方だと思うが、シリコンバレーの恵まれた天気がそうさせるのか、非常にリラックスした雰囲気で、利害がないにも関わらず、ゲーム業界の大先輩として、いろんな質問に丁寧に答えてくれた。
下記、ミーティングメモ。
・ゲーム会社は、新しいジャンルに常にトライしていく姿勢を持つことが非常に大事。
・過去考えてみると、本当にヒットするゲームは、マーケットリサーチなどせず、開発者がいいと思って作ったものが当たった。プロダクトアウト的なもの。段々会社が大きくなってくると、その様なものが無くなってきて、マーケットインの発想になる。マーケットインの発想は必要だが、今流行っているものを追うことになってしまう。半歩先くらいが丁度良い。
・この20年で日米は物凄く差がついた。北米はアメリカンフットボール的に、なんでも分業し効率的に作る。日本はそういった作り方をしてこなかった。ここをなんとかしないといけない。
・ゲーム業界が完全にWinner takes allの世界に入ってしまっている。ロングテールかもしれないが、極端にヘッドが大きいテールになっている。米国ではFPSゲームばかり流行ったり、日本ではRPG等、特定のタイトルばかり流行ったりする。新しいジャンルや切り口で参入するのが非常に難しい。
・グラフィックやゲームのテイストに関しては、日米似通ってきている方向性も感じられる。コンシューマの土台の嗜好は共通する部分が出てきている。しかし共通する部分もありながら、個別ユーザの嗜好性も多様化しているので、それに合わせたゲーム作りが必要。
・ゲーム会社の経営で、大きな方針は3年を目途に見直してきた。しかし、今後はもっと短いスパンで見直す経営が必要になってくるだろう。
・ゲームは文化だと思ってやっている。かつては日本でゲームを作れば、それは世界市場に進出することを意味していた。これを何とか守っていきたい。
以上。
終始楽しい雰囲気で、熱いメッセージを冷静に語る雰囲気が印象に残った。また、こちらがまだ駆け出しのベンチャー企業をだったにも関わらず、すごく褒めてくれる、そういった前向きにさせてくれる素晴らしい社長だった。
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