ラグビーの平尾監督の話で面白い話が出ていました。
ラグビーで外国人選手、日本人選手を両方管理した立場から、日本人の得意なこと、不得意なこと、について書かれていました。
得意な例としては、
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日本人は、いわれたことはちゃんとやる抜群の資質があります。たとえば、「ちょっと速くボールを投げてみろ」とか、「ポジションをちょっと前に取れ」と指示すると、ほんとうに「ちょっと」、0.1秒とか、50センチとかの微調整をするのです。それは、本人にしかわからないぐらいの微妙な調整です。この繊細さが、1つのフォーメーションやサインプレーを構築する上で、すごく重要な要素になってきます。決められたことをちゃんとやるには、この細かさが効きます。これを見ると、日本の製造業が、すばらしく精度の高い製品を作ったというのも頷けます。
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一方、不得意な例としては、
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スクラムハーフに、私は外国人選手を起用しました。スクラムハーフというのは、一番ボールに絡むポジションです。その選手が、試合が始まって10分間、反則をしまくるのです。監督である私は、それを見て内心、「あいつ、何をやっているんだ!」と怒ります。ところが、10分たつと、ピタッと反則しなくなる。これは何でだろうと思っていると、気がつきました。彼は、その10分間で、レフェリーの資質や癖を見抜いていたのです。あ、ここまでならこのレフェリーは反則を取らないな、これをやると取られるかと。
これは日本人にはない感覚です。日本人は、ルールに従ってプレーすることがフェアだと思っています。ところが、ラグビーにおいては、そのルールの適用がレフェリーの主観によって決定される場面が非常に多いのです。たとえば、タックルを受けたら「直ちに」ボールを放さなければならないというルールがありますが、この「直ちに」というのは、別に1秒とかときっちり決まっているわけではありません。レフェリーが「直ちに」ボールを放さなかったと思ったら、笛を吹くわけです。つまり、人によってレフェリングに癖があるのです。
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確かに、こういうことって、なかなか思いつかないな、と思います。
ちょっとコジツケ感もありますが、ベンチャーの世界を見てもそうです。
Google、Overture、そしてweb2.0といった、新しいフレームワークやルールを作り出したりすることは難しいし、あまり得意ではない。
一方、一旦フレームワークやルールが与えられると、その中での勝負はすごく強いと思います。面白いサービスは日本の方が多く生まれる可能性もあると思います。
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