良く言われる話ではあるが、ベンチャーの成功に必要であるのは人である、と。
もちろん、それは間違いではない。ベンチャーの成功に必要なのは人であるし、その経営チームである。
しかし、それだけでは飛躍する企業を作ることはできない。どんなにチームが良くてもアイデアや構想に優れていないと、成長に限界があり、偉大な企業は作れない。そういった意味で、アイデアかチームか、といった二者択一でなく、必要なのは、優れたアイデアを持った個人であり、チームである。
私の投資経験で成功した会社は、創業時のアイデアを今も続けている企業である。そのような会社は、創業時のビジネスプランと今行っている事業があまり変わっていない。逆に言えば、創業の際に事業アイデアを考え抜いた上でベンチャーを始めたから、何年も継続できるビジネスとなっている、と言えるかもしれない。
そういった意味で、当たり前の結論であると思われるかもしれないが、起業家やベンチャーが成功する為には、個人やチームが優れているだけでなく、優れた事業アイデアや構想が必要だ。
私の知る限り、多くのベンチャーがすごく似たことを行っている。多くの起業家が、何をやるか、ということを徹底的に考え抜かずに(或いは、将来のことを考えてもわからないから無駄だと割り切ってしまい)、「まずベンチャーをやるか」とベンチャーをスタートしていることが多いのではないだろうか。
「何をやるかを今決めることはできないけど、そのうちやりたいこともやれてくるだろう」、「何をやるかよりも誰とやるかが大切だ」、なんて話である。
Googleは、なんとなく会社を始めて徐々に検索エンジンの会社になっていったのだろうか?アップルは、Apple Ⅰのアイデアが先にあって、それから会社を始めている。オラクルはDBの会社だ。
シリコンバレーの一流ベンチャーキャピタルである、クライナーパーキンス(Kleiner Perkins。GoogleやAmazon、Sun等へ出資)の創業者、Tom Perkins(Compaqへの投資を行い、その後2006年までHPの取締役)はインタビューの中で、興味深い発言をしている。
「Our philosophy was that you find the idea and not the individual.」
(我々の哲学は、アイデアを見出すことで、人ではない)
「The idea is the most imporant thing, and then build the enterprise around the idea with the indivisual」
(アイデアが最も大事なことで、そのアイデアをもって、人と共に会社を構築する。)
ちなみに、このインタビューあるVentureVoice、更新は止まってしまっているが、過去のインタビューに関しては、ネット・ソフトウェアで起業したいエンジニアや起業家志望の人は、かなり役立つと思う。
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